#9 右脳開発系ゲーム「おなじもじ」の改善例:同じ文字を探すだけなのに何度も遊びたくなる仕組み

どうも、いしだです。
今回は私が過去に制作したモバイルゲーム「おなじもじ」についてのお話。
「おなじもじ」は、一般に右脳開発系ゲームと呼ばれるタイプのゲームです。
定番パズル系ゲームとも近いので、今回はこちらを取りあげます。

たくさんの文字の中から1組だけ存在する「同じ文字」を探すというシンプルなルールです。
調子が良いときには、たくさんの文字の中から同じ2文字だけが、ピカッと光っているかのように瞬時に見つかります。

この一瞬の快感を、文字を見つけて終わるだけのゲームにはしたくありませんでした。

そこで「おなじもじ」には、10ステージ制、自己ベスト、実績バッジなど、次の目標が残る仕組みを入れています。

かつてCocos2d-xを用いて制作したものですが、このたびCodexを用いて、Web用に移植してみました。
こちらも数時間ほどで移植できてしまいました。
AI開発時代には、こういうミニゲームも短期間で作れてしまうんですね。
今回はほぼ移植で大きな機能変更を加えていませんが、時間があれば他の機能や実績バッジを追加するのも楽しいと思います。

実際に作ったゲームはこちら
右脳開発ゲーム「おなじもじ」

 

この記事のポイント

  • 同じ文字を探すゲームに、10ステージ制と自己ベスト機能を加えた
  • ステージ7と10を難所にすることで、最後まで緊張感が続く
  • 実績バッジを加え、タイム更新以外の目標も作った

 

右脳開発系ゲーム「おなじもじ」とは

「おなじもじ」は、画面内に並んだたくさんの文字の中から、同じ文字のペアを探してタップするゲームです。
右脳開発系ゲームの一種ではありますが、明確に右脳への効果を証明したゲームではありません。

操作は、同じ文字を2つタップするだけです。文字の意味を考えたり、複雑な手順を覚えたりする必要はありません。

「同じ文字」を2つタップするだけのシンプルなゲーム

「同じ文字」を2つタップするだけのシンプルなゲーム

 

10ステージの合計タイムを競う

1回のプレイは、全10ステージで構成しています。

各ステージは短いものの、毎回同じ速さで見つけられるわけではありません。画面を見た瞬間に分かることもあれば、同じ文字がなかなか目に入らないこともあります。
ただし、ステージごとの文字種と盤面の大きさは毎回同じにしています。

これにより、近くに2つ並ぶ運だけでなく、その日の集中力や体調によっても、見つける速さが変わるように感じています。

10ステージすべてを終えるまでの合計タイムを記録することで、単純な文字探しをタイムアタックとして遊べる形にしました。

10ステージクリア後、今までのベストスコアが表示される

10ステージクリア後、今までのベストスコアが表示される

 

正解するだけの文字探しをタイムアタックに変えた

時間がかかっても、クリア自体はできます。
また100秒間で見つからなかった場合はタイムアップとして自動クリアとなります。
そのため、クリアだけを目的にすると、すぐに飽きが来てしまいます。

「おなじもじ」では、クリアまでの時間を記録し、「前より速く見つけられたか」を遊びにしました。
さらに、参考タイムとして、トータル100秒、50秒、30秒、23.04秒(スタッフレコード)が存在します。
ユーザーが、そのタイムを目指すように導いています。

やってみると分かると思いますが、最初は100秒すら難しいですが、何度もやるうちに慣れたり幸運を引いたりで、タイムが伸びてきます。
この差があるからこそ、次はもっと速く見つけたいという目標が生まれます。

 

ステージ7を難所にして山場を作った

「おなじもじ」では、全ステージを同じ難しさにしていません。

ステージ7(そっくりハングル文字)とステージ10(金偏の漢字)を明確な難所にしています。

前半を速く進めても、ステージ7で時間を使ってしまうことがあります。反対に、ここを速く突破できれば、自己ベスト更新の可能性が見えてきます。

ステージ7を越えると新記録が見えてくる

ステージ7を良いタイムで突破すると、残りは3ステージです。
ここまで順調なら、新記録への期待が生まれます。

しかし、ステージ9まで速く進めても、最後のステージ10で同じ文字が見つからないことがあります。
つまり、明確な山場が2つあるわけです。

その「あと1ステージだった」「あと1秒縮められた」という惜しさが、次のプレイにつながります。
個人的にはこの山場は2つがちょうどいいと思っています。
1つでも構わないですが、中盤と最後の2つが山というのが、バランスが良いと思います。

明確な難所をステージ7に置いた

明確な難所をステージ7に置いた

最後の難関が待ち受けるステージ10

最後の難関が待ち受けるステージ10

 

同じ2文字がピカッと光るように見つかる

このゲームで私が最も気持ちいいと感じるのは、画面を見た瞬間に同じ2文字が見つかるときです。

調子が良いときには、2つの文字だけがピカッと光っているかのように感じられます。

そのまま迷わず2つをタップできると、短いステージでもはっきりとした快感が残ります。

「FINE PLAY!!」「GREAT!」で速さを評価する

その時、速く見つけたときには、「FINE PLAY!!」や「GREAT!」と表示します。
クリアしたことだけでなく、見つけるまでの速さをその場で評価する仕組みです。

プレイヤー自身が感じた手応えと、ゲーム側の反応を一致させる役割があります。
特に3秒以内、「FINE PLAY!!」が出たときは気持ちいいです。

3秒以内に見つけられると「FINE PLAY!!」が表示される

3秒以内に見つけられると「FINE PLAY!!」が表示される

 

毎日遊ぶと周辺視野が広くなったように感じる

前述のとおり「おなじもじ」は、明確に右脳への効果を証明したゲームではありません。

ただし、私自身は毎日遊んでいると、画面全体を捉えやすくなり、周辺視野が広くなったように感じます。

最初は文字を一つずつ確認していましたが、続けるうちに、画面全体から形を拾う感覚が出てきました。

また、毎日遊ぶことで、同じ文字を見つけるまでの平均時間が短くなって行きます。
これは単純にゲームに慣れただけかもしれませんが、ゲームの上達の楽しみがあります。

 

Touch the Numbersとの類似点

さて、今から10年以上前に大流行したスマホゲーム「Touch the Numbers」をご存知でしょうか?
これは、1から25までの数字を順番に押すだけのゲームです。
最初は15秒以内にクリアする事すら大変だったのが、毎日毎日続けていくうちに、10秒を切り、8秒を切り、5秒を切り、私は4秒台まで早くなりました。

意識したわけではなかったのですが、「おなじもじ」の上達も、この上達感に近いです。

 

ステージごとの自己ベストで小さな上達も残す

また「おなじもじ」では、10ステージの合計タイムだけでなく、各ステージのベストタイムも保存しています。

合計タイムを更新できなくても、一部のステージだけ前回より速いことがあります。

たとえば、最後のステージで時間を使って全体記録を逃しても、途中のステージで最速記録が出ていれば、そのプレイには成果が残ります。

ただし、他人と競うためのものではなく、自分が過去に出したタイムを並べ、自己ベストやそれに近い記録を確認するための履歴として使っています。

これは、世界中の人とランキングを競うよりは、自分の中での上達が見られたほうが良いかと思ったからです。

 

実績バッジは次に狙う目標として入れた

また、タイムとは別の目標として、実績バッジ機能も入れています。

ちなみに実績バッジを得る条件は、最初からすべて確認できます。

  • 一定タイム以内でクリア
  • ミスなしでクリア
  • FinePlayを連続で獲得

などなど、条件を見せることで、「次はミスなしを狙う」「あと少しタイムを縮める」といった目標を自分で選べます。

未解除の実績を一つずつ埋める収集の楽しさも生まれます。

実績バッジ一覧、タップすると取得条件が確認できる

実績バッジ一覧、タップすると取得条件が確認できる

 

『おなじもじ』に入れた5つの面白さ

以上をおさらいしていきますと、このようになるでしょうか。

面白さ 実装した要素 プレイヤーに残る感情
上達感 自己ベスト、ステージ別記録 前より速くなった
惜しさ ステージ10で詰まる、あと1秒 次は更新できそう
気持ちよさ 一瞬で発見、FINE PLAY!!表示 素早く見つけて気分が良い
収集欲 条件が見える実績一覧 未解除の実績も埋めたい
無心感 シンプル操作、短時間 何となくもう一度始められる

 

右脳開発系ゲームを何度も遊べるようにするQ&A

Q. 右脳開発系ゲームを、飽きさせないコツは?

自己ベスト、実績、連続成功など、クリア以外の目標を加えると、同じルールでも変化を作れます。
例えば、毎日の結果が記録でき、評価される仕組みがあっても良いと思います。
右脳開発系だからこそ、毎日やってもらうための工夫が欲しいですね。


 

Q. 自己ベストを入れる意味はありますか?

自分自身の上達を、数字として残せます。
合計タイムだけでなく、ステージごとの記録も保存すると、小さな変化も見せられます。


 

Q. 毎回違う問題にすれば長く遊ばれますか?

いいえ、自分の上達が分かる仕組みも必要だと思います。
配置が変わるだけでは、毎回新しい問題を解いて終わる形になりがちです。
それどころか、毎回問題パターンが新しく変わってしまうと、上達がわからなくなります。


 

Q. 実績は隠したほうが面白いですか?

そうとも限りません。
隠れた実績の条件を見つける面白さもありますが、ミニゲームにおいては、最初から条件を見せる方法も合います。
次に狙う目標が分かり、未解除の項目を埋める楽しさも作れます。
個人的には、9割ぐらいの解除条件は最初から見られるようにしておき、1割ぐらいを解除条件が明示されていない実績としても面白いと思います。


 

Q. 難しいステージは必要ですか?

必ずしも必要ではありませんが、途中に一つ難所があると、プレイ全体に山場を作れます。
ただし、難所が多すぎると、低ストレスで遊べる良さが薄れます。


 

Q. 演出は必要ですか?

はい、昨今はどんなミニゲームにおいても演出が必要だと思います。
評価表示、効果音、NEW RECORDなどで、成功した瞬間を伝えられます。

 

まとめ:単純な文字探しにも遊び込める余地はある

「おなじもじ」では、同じ文字を2つ見つけてタップする基本ルールを変えずに、10ステージ制、自己ベスト、難所、実績、評価演出を加えました。

特に、ステージ7を難所にし、最後のステージ10を最難関の砦にしたという、毎回変わらない「山場」を設けました。この惜しさが、次の挑戦につながります。

また、調子が良いときには、同じ2文字がピカッと光るように一瞬で見つかります。毎日遊んでいると、画面全体から同じ形を拾える感覚が出てきて、私自身は周辺視野が広くなったように感じました。

さらに、ステージ別ベストタイムや実績を加えることで、合計タイムを更新できない時でも、小さな目標達成への余地を残しました。

などなど、このゲームにおいて、
記録、難所、評価、実績を加えることで、同じ操作のままでも、上達感、惜しさ、気持ちよさ、収集欲を作れたと思います。

以上によって、右脳開発系ゲームだからこそ重要な、「上達を感じられる」仕組みに出来たのではないかと思います。

それではまたー。

実際に作ったゲームはこちら
右脳開発ゲーム「おなじもじ」

 

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