ただのじゃんけんゲームを面白くするには?「大クセじゃんけん」で考える攻略型ミニゲームの作り方

どうも、いしだです。
じゃんけんは、誰でもルールを知っている非常に強い題材です。
ただし、そのままゲームにすると、運だけで勝敗が決まる遊びになりがちです。

この記事では、じゃんけんに「相手のクセを読む面白さ」を足した実例として、「大クセじゃんけん」を紹介します。

この記事のポイント

  1. じゃんけんゲームは、ただ作るだけだと運ゲーにしかなりません
  2. 相手キャラにクセを持たせると、観察して攻略するミニゲームに変えられます
  3. 攻略型ミニゲームには達成感がある一方で、一度クリア後には遊ばれにくい弱点もあります

 

実際に作ったゲームはこちら
クセを見抜け!大クセじゃんけん

 

じゃんけんゲームは、ただ作るだけだと運ゲーにしかならない

じゃんけんゲームは、作るだけなら非常にシンプルです。

プレイヤーがグー・チョキ・パーを選び、相手もグー・チョキ・パーのどれかを出す。
あとは勝ち・負け・あいこを判定するだけです。

この分かりやすさは、ゲームの題材として大きな強みです。
ルール説明がほとんどいらず、誰でもすぐに遊び始められます。

ただし、そのままゲームにすると、基本的には運ゲーにしかなりません。
相手がランダムに手を出すだけなら、プレイヤーが考える余地はほとんどないからです。

もちろん、運で勝ったり負けたりすること自体が悪いわけではありません。
短時間で遊ぶミニゲームなら、ランダム性はむしろ大事な要素です。

しかし、じゃんけんゲームを「もう少し遊べるゲーム」にしたいなら、運だけでは足りないと考えています。
例えば、プレイヤーが「今のは自分で読んで勝った」と感じられる要素を追加してみます。

 

ランダムに出すだけでは、プレイヤーが上達しにくい

相手の手が完全にランダムで決まる場合、プレイヤーは何を考えても結果にほとんど影響を与えられません。

前にグーを出したから、次はチョキかもしれない。
さっき負けたから、今度はパーにしてみよう。

こうした読みをプレイヤーがしたとしても、相手側が完全ランダムで何の法則もなければ、それはただの運ゲーです。

この状態だと、プレイヤーは勝っても「当たった」と感じるだけで、「うまくなった」とは感じにくいです。
つまり、普通に作っただけのじゃんけんゲームには、上達感を入れにくいという弱点があります。

 

面白くするカギは、運以外の判断材料を足すこと

そこで一つの要素になるのが、相手にクセを持たせることです。

たとえば、あるキャラは最初に必ずグーを出す。
あるキャラは負けたあとに同じ手を出しやすい。
あるキャラは動きよって次の手が分かる。
などなど。

こうしたクセがあるだけで、じゃんけんゲームがただの運試しではなくなります。
プレイヤーは相手を観察し、「このキャラはこういう出し方をするのではないか」と考えるようになります。

そして、その読みが当たって勝てたときに、ただ勝っただけではない気持ちよさが生まれます。

私が作った「大クセじゃんけん」の狙いはここです。
じゃんけんという誰でも分かる題材に、相手のクセを読む攻略要素を足すことで、運だけでは終わらないミニゲームにしたいと考えました。

ゲーム制作で大事なのは、必ずしもルールを複雑にすることではないと思っています。
シンプルなルールの中に、プレイヤーにとって攻略の楽しみがある。
それだけでも、遊びの印象は変わります。

じゃんけんにクセがあることで、攻略型ゲームに変わる

じゃんけんにクセがあることで、攻略型ゲームに変わる

 

「大クセじゃんけん」は、相手のクセを読む攻略型ミニゲーム

そのような思いから考えられた「大クセじゃんけん」は、全10ステージで構成したじゃんけんゲームです。

プレイヤーは、いろいろなクセを持つ相手キャラとじゃんけんをします。
序盤は運だけでも勝てますが、後半になるにつれて、相手のクセを見抜かないと勝ちにくくなる作りにしています。

このゲームで意識したのは、じゃんけんを「当たるか外れるか」だけの遊びにしないことです。
相手がどの手を出しやすいのか。
どのタイミングで出せば勝てるのかなど、そうした情報を少しずつ読ませることで、攻略している感覚を作りたいと考えました。

 

全10ステージで、相手ごとにクセを変える

このゲームでは、ステージごとに相手キャラのクセを変えています。

もし全員が同じようなクセなら、10ステージあっても実質的には同じことの繰り返しになります。
そこで、相手ごとに「このキャラはこういう出し方をする」というクセを持たせました。

たとえば、序盤の相手は分かりやすいクセにして、プレイヤーが「これは読めるゲームなのか」と気づけるようにします。
一方で、後半の相手は、ただ眺めているだけでは勝ちにくくなります。

この段階的な変化があると、プレイヤーは少しずつ遊び方を理解していきます。
最初は何となく勝っていたものが、途中から「相手を見る」「法則を探す」「勝てる手を選ぶ」という遊びに変わっていくイメージです。

 

じゃんけん履歴で、相手のパターンを読めるようにする

「大クセじゃんけん」では、相手のクセを見抜きやすくするために、じゃんけん履歴機能も用意しています。

これは、過去に相手がどの手を出したのかを確認できる機能です。
ただ相手にクセを持たせるだけだと、プレイヤーがそのクセに気づけない場合があります。

そこで、じゃんけん履歴を見ることで、
「決まった順番で出しているのか」
「あいこの後は手を変えるのか」
などのパターンを考えられるようにしました。

この機能をつけたことで、プレイヤーは単に勘で手を選ぶのではなく、過去の結果を見ながら次の手を予想できます。
この機能は自分で実装すると大変ですが、AIで開発することで、すぐに実装をすることが出来ました。

 

最終ステージ以外は、必ず勝てる攻略法がある

「大クセじゃんけん」では、最終ステージ以外は、必ず勝てる攻略法が存在するように作っています。

ここは、ただのじゃんけんゲームとの大きな違いです。
相手のクセを見抜けば、プレイヤーは運だけに頼らず勝てます。

「気づいたら勝てる」という構造は、シンプルなミニゲームに発見の面白さを足すうえで、非常に使いやすい考え方だと思います。

ちなみに、クセが分からなくてもテキトーにやって運だけでも勝てます。
プレイヤーは答えが分からないまま次のステージに行けてしまいます。

そのモヤモヤ感の回収のため、エンディングでは各キャラクターのクセの正解を表示するようにしています。

ここの「仕様をオープンにするかしないか」は作り手の思想次第なのですが、このゲームでは「仕様は作者のヒミツ」ではなく明確に表示することにしました。

もっともっとやりごたえのあるゲームなら、ユーザーが自ら解析してくれますが、このレベルのミニゲームであれば「インスタントなスッキリ感」を優先したというわけです。

 

最終ステージだけは、攻略しても運の要素を残している

一方で、最終ステージだけは少し違う作りにしています。

攻略法を知らないと、基本的には負けるようにしています。
ただし、攻略法を理解しても、運の要素が残るようにしています。

攻略法を知ったうえで、2分の1で勝てるという、若干いじわるな作りにしました。
これは、攻略法が分かった瞬間に、あとは決まった手順をなぞるだけになると、最後のステージとしては少し味気なくなるため。
そして、9ステージまでやってくれたプレイヤーなら、多少は頑張ってくれるだろうという制作者側の甘えもあります。
攻略の考え方は必要にしつつ、最後に少しだけ「勝負は時の運」というじゃんけんらしさを残しました。

この作り方には好みが分かれる部分もあると思います。
攻略型ミニゲームでは、すべてをプレイヤーの読みで決める方法もあります。
一方で、最後だけ運の要素を残すことで、クリアしたときの達成感を少し強める作り方もあると思います。

 

ヒントにしたのは「マイクタイソン・パンチアウト!!」の攻略感

ちなみに、「大クセじゃんけん」を考えるうえでヒントにしたのが、ファミコンの「マイクタイソン・パンチアウト!!」です。

マイクタイソン・パンチアウト!!は、巨大なボクサーたちと戦うゲームですが、私が特に面白いと感じていたのは、単に反射神経だけで勝つゲームではないところです。
敵キャラにはそれぞれクセがあり、そのクセを見抜くことが攻略の大きなポイントになっています。

この「相手のクセを見抜いて攻略する面白さ」を、じゃんけんゲームに適用したまでです。

 

キャラクターの反応を入れると、愛着がわく

また、じゃんけんゲームは、AIで何も指示せずに作らせると、淡白なままです。

自分:グー、相手:チョキ
あなたの勝ちです。

こんな感じですね。

そこで、キャラクターの反応を入れてみました。

相手キャラが負けたときに悔しがる。
勝ったときに喜ぶ。
たったこれだけですが、それだけでもキャラクターに「可愛げ」が出て愛着がわきます。

 

攻略型ミニゲームには、クリアした達成感がある

さて、こういった攻略型ミニゲームには、メリットとデメリットが存在します。

何度も短時間で遊び直すミニゲームとは違い、メリットとしては攻略型ミニゲームには「最後まで進めてクリアできた」という達成感があります。

「大クセじゃんけん」でも、全10ステージを用意したのは、プレイヤーに最後まで進める感覚を持ってもらいたかったからです。

デメリットとしては、一度クリアしたら大半の人はもうやらないという弱点があります。

 

エンディングがあると「クリアした」という感情が残る

また、私は攻略型ミニゲームでは、エンディングの存在も大事だと考えています。

短いゲームであっても、最後に区切りがあると、プレイヤーの中に「終わらせた」という感覚が残ります。

たとえば、ステージをすべて突破したあとに、簡単なエンディングが流れる。
相手キャラが最後に一言だけ反応する。
クリア結果として、ちょっとした称号が表示される。
などなど。

このような要素があると、ゲーム全体の印象が良い印象で終わりやすくなります。

 

一度クリアしたら終わりやすいのが、攻略型ミニゲームの弱点

一方で、一度クリアすると、2回目以降に遊ばれにくいという弱点について。

攻略型のゲームは、攻略法を探している間が面白いです。
しかし、攻略法が分かってしまうと、初回ほどの驚きは残りにくくなります。

これは「大クセじゃんけん」にも当てはまる課題です。
最終ステージ以外は、相手のクセを見抜けば必ず勝てるように作っています。
そのため、一度攻略法が分かると、次からは同じ手順で進められます。

これは攻略型ゲームとしては自然な構造ですが、ミニゲームとして長く遊んでもらうという意味では、少し弱くなりやすいです。

クリア後のお楽しみ要素を入れるなどで対策はできる

この弱点を少し和らげるなら、クリア後のお楽しみ要素を入れる方法があります。

たとえば、「ノーダメージクリア」でメダルを獲得できるようにする。
ステージごとにメダルを用意する。
クリアタイムを記録する。
隠し称号を用意する。
などなど。

今回はそこまで実装していませんが、こうした要素があると、プレイヤーに「もう一度挑戦する理由」を作れます。

・クリア後のお楽しみ要素の例

追加要素 期待できる効果
ノーダメージクリアメダル もう一度挑戦する理由になる
ステージ別メダル 苦手ステージだけやり直す動機になる
クリアタイム記録 後半のタイミング入力と相性が良い
キャラ図鑑 相手キャラへの愛着を足せる
隠し称号 小ネタや発見要素を入れられる
真エンディング 収集後のご褒美になる

攻略型ミニゲームを長く遊んでもらうなら、こうしたクリア後のお楽しみは機能追加しても良いと思います。

 

じゃんけんゲームを面白くする工夫に関するQ&A

Q. じゃんけんゲームはどうすれば面白くなりますか?じゃんけんゲームを面白くする一つの要素としては、攻略型のゲームにすることが考えられます。
相手が完全ランダムに手を出すだけだと、ただの運ゲーです。
しかし、相手キャラごとに出す手の法則やタイミングの違いがあると、プレイヤーは観察して攻略するようになります。


 

Q. 攻略型ミニゲームの弱点は何ですか?攻略型ミニゲームの弱点は、一度クリアすると2回目以降に遊ばれにくいことです。
相手のクセや攻略法が分かると、初回ほどの驚きは残りにくくなります。
そのため、長く遊んでもらいたい場合は、ノーダメージクリアメダルや、クリアタイム記録、隠し称号などを足してゲーム寿命を伸ばす方法があります。


 

Q. ミニゲームにキャラクターの反応は必要ですか?必須ではありませんが、短いミニゲームでは非常に効果があると考えています。
勝ち負けだけを表示すると淡白になりやすいですが、相手キャラが悔しがる、焦る、調子に乗る、言い訳をするなどの反応があると、ゲームの印象が残りやすくなります。
「またこのキャラの反応を見たい」と思える要素は、ミニゲームに愛着を足すうえで役立ちます。


 

Q. 攻略型ミニゲームは無料広告型と相性が悪いですか?必ずしも悪いとは言えませんが、私の感覚では、何度も短時間で遊び直すゲームは無料広告型と相性がよく、エンディングのある攻略型ゲームは有料売り切り型と相性が良いのではないかと考えています。
ただし、ミニゲームではそもそも有料高単価での売上は期待できないため、遊ぶ人を増やすためにとりあえず無料広告型にして、ヒット作が出たら続編を有料化する手段もあります。

 

まとめ:じゃんけんゲームは、クセを読ませると攻略型ミニゲームになる

今回は、ただのじゃんけんゲームを、相手にクセを持たせることで、ただの運試しから、攻略するミニゲームに変えて、少しでも遊べる形にしました。

じゃんけんゲームは、グー・チョキ・パーを選んで勝敗を見るだけなら、ただの運ゲーです。
しかし、相手キャラにクセを持たせると、プレイヤーは「次に何を出すのか」を考えるようになります。
さらに、じゃんけん履歴のような手がかりがあれば、勘ではなく、過去の結果からパターンを読んで攻略できます。

「大クセじゃんけん」では、これを狙いました。
じゃんけんという誰でも分かる題材に、相手のクセ、キャラクターの反応、ステージごとの攻略法を足すことで、運だけでは終わらない遊びに近づけたいと考えました。

また、攻略型ミニゲームには、「最後まで進めてクリアできた」という達成感があります。
一方で、一度クリアすると2回目以降に遊ばれにくい弱点もあります。
そのため、長く遊んでもらうなら、ノーダメージクリアメダル、ステージ別メダル、クリアタイム記録、隠し称号など、クリア後のお楽しみを用意するという方法があります。

シンプルな攻略型ゲームを作るときに大事なのは、要素を増やしすぎることではなく、プレイヤーが「気づいた」「読めた」「自分で勝てた」と感じられるスッキリ感を作ることだと思っています。

実際に作ったゲームはこちら
クセを見抜け!大クセじゃんけん

 

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